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ドラフト2位指名された立命大・藤原正典投手(4年=県岐阜商)が1日、関西地区大学選手権・龍谷大戦に先発し、12三振を奪って完封勝利を収めた。猛虎期待の左腕は、7回先頭にバント安打を許すまで無安打。序盤の1点を守りきり“指名祝い”の白星をあげた。担当の阪神佐野仙好スカウトも、今季ブレークした能見をほうふつとさせる快投に、ほれ直した。
能見2世の誕生だ。直球最速は142キロ。えっ、それだけ? そう思わせるほど、計測表示以上にキレがあった。球の出どころが見にくい独特のフォームから繰り出される速球に、相手打線のバットが次々に空を切る。阪神指名後、初のマウンドは雨中でも6回まで無安打、4連続を含む12奪三振。115球の完封劇だった。
「マウンドが緩く踏ん張れないので、いい感じで力が抜けた。ストレートにキレがあったし、空振りもとれた。そのいい球を生かしきれた」。マウンド上での冷静さも、クールガイ能見を思わせる。
もうじき、タテジマに袖を通す期待の新左腕が入団前に演じた快投。担当の佐野スカウトもうなった。「右打者のインコースを使えていた。春先に肩のけがもあったけど、いろんな意味で(調子が)戻っていた。ほれ直したというより、安心した」。「これなら十分(阪神投手陣の中でも)力を発揮できそうだ」と言う口調にも力が入ってきた。
藤原は3年春に防御率1位、同秋は6勝でMVPを獲得したものの、今春に肩を痛め、故障の影響もあって調子を落としていた。それでも、秋季リーグ戦に入ると、9月5日(京産大戦)に完封、10月4日(関学戦)にも完投勝利を記録するなど、徐々に調子をあげていた。ただ、ケガの後遺症への不安があったのも事実、そんな心配もこの快投で消し去った。
タテジマ戦士として戦える力を見せつけた一方で、ハートの強さも証明してみせた。2回、味方打線が1点を先制したが、その後は援護なし。追加点の好機をものにできなかった5回、藤原は直後に3者連続空振り三振にしとめ、悪い流れを断ち切った。
担当の佐野スカウト以下、阪神勢5人が見守ったが、力みや緊張とも無縁だった。「スカウトの人にも気付かなかった。進路が決まってほっとしたので、神宮に行く(予選を勝ち上がる)ことだけを考えていた」。負ければ学生最後の試合になる。立命ナインの命運を背負った大一番だったが、松岡憲次監督も「プレッシャーもあったでしょうけど、ゆったりして投げていた。今季、いや学生生活で最高の投球じゃないですか」と目を細めていた。
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