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覆った雲を吹き飛ばすような快投だった。石川が超満員の虎党に“晴れ間”をもたらした。3回をゼロ封。1安打を浴びたが、打者9人で切り抜けた(二回に安打の阿部、三回に四球で出塁の伊藤がそれぞれ盗塁死)。安定感タップリの投げっぷりにスコアラー陣が目を丸くした。
開幕2カード目にぶつかる広島・吉年スコアラーは「安藤、岩田、下柳に次ぐ候補だと思っています。開幕2カード目が阪神戦なんで警戒しますよ。ツーシームもやっかい」と話した。
4月3日から始まるペナントレース。ヤクルトの次に対戦するのが広島だ。その諜報部員は石川の先発4番手入りを前提として、今後の情報収集に当たるという。2年目右腕が輝いていた。
「久しぶりにいい緊張感で投げられた。終わってみれば楽しかった。インコースにしっかり投げられました」
印象的なシーンは二回だ。先頭の浜中をインハイで三邪飛、一輝も詰まらせ、遊飛。続く阿部には右前に運ばれたが打たれた安打はこの1本だけ。最速は138キロだったが、積極的に内角を攻めて「0」を並べた。山口投手コーチも「あそこ(内角)が生命線。そこに、打ちごろのツーシームだけど『打てる』と思ったところで変化する」と目を細めた。
離れた場所から見守ってくれる大切な人もできた。1月30日に年上の一般女性(25)と入籍。キャンプインしてからは野球に専念するため、携帯電話は一切練習場に持ち込まない。それでも宿舎でミーティングが終わると、「毎日、1回は電話します」。新妻の支えが原動力だ。
真弓監督は「いい投球をしてくれた。(先発ローテに)かなりきょうで近づいたんじゃないか」とニンマリ。広島の007の見立て通り、4人目の先発に大前進した。
「先発枠どうこうではなく、自分の投球をできるようにと思っています」。あくまで己との戦い−。昨季2勝を挙げた期待の星が飛躍の1年へ、好スタートを切った。(
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